結論からいいますと、頭金ゼロでもOKなケースもあれば、50%くらい用意しなければならないケースもあるのです。全ては千差万別。
頭金2割は意外と妥当
「頭金は2割が目安」という定説にさしたる根拠はありませんが意外と妥当です。
これは以前、物件価格の8割までなら比較的簡単に住宅ローンを借りることができた、つまり頭金を2割用意しないと住宅を買うことができなかったためです。
「頭金を2割用意すればマイホームを買うことができる」といわれていたものが、いつの間にか目安に転じたのだと思われます。
住宅ローン商品は発展している
現在では、条件によって物件価格の100%を融資してくれる住宅ローンもあるほか、諸費用まで借りることもできます。
中古住宅の場合、つい最近までリフォーム費用は自己資金で用意するか、別途でローンを組むしかなかったのですが、住宅ローンと一般化できる商品も増えてきました。さらには、自宅を売って住み替えをするときに損失が出るケースで、売却損をした分を物件価格に上乗せして貸してくれるローンもあります。
担保割れを防ぐための頭金2割
しかし、「頭金2割」というこの目安、あながち間違っているともいえません。
たとえば新築住宅は買ったときが最も高く、人が住んで中古住宅になった瞬間に建物の価値が15~20%も下がります。さらに10年で半値、25年程度で限りなくゼロに近づくというのが一般的な姿です。
このような状況で、なんらかの事情で売ることになったとき、頭金2割程度用意しておけば、担保割れしなくて済む可能性が高いのです。
担保割れとは、住宅の資産価値を住宅ローンの残高が上回ってしまうことです。
たとえば、4000万円の新築を100%、住宅ローンを組んでいた人が10年後に売却しようとすると、その時点での残高は3270万円(期間30年間、金利2.5%の場合)。
このケースでは差額の270万円に加え、売却費用の約100万円、合計370万円を別途で用意しないと売ることができないのです。
このとき頭金を2割の400万程度入れておけば、担保割れすることはありません。
あらかじめ2割程度の頭金を用意しておくのは、万一の時に対応できる可能性が高いのです。
必要な「頭金」は物件によって異なる
もっとも、価値が落ちない、落ちづらい住宅を選べばその限りではありませんし、逆にどんどん価値が落ちる住宅を選んでしまったら、もっと頭金が必要になります。極端にいえば、頭金ゼロでもOKなケースもあれば、50%くらい用意しなければならないケースもあるのです。