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この話は長野県駒ケ根市にある天台宗の別格本山の寺院、光前寺に飼われていた強い山犬のお話です。。
伝わる地方によっては悉平太郎(しっぺいたろう)といわれたり、疾風太郎(しっぷうたろう)という別名があります。

あらすじ(日本昔話)

昔々、旅をしている1人のお坊さんがいました。
ある日、お坊さんはある村にさしかかりました。その村の人達は元気がありませんでした。理由を聞いてみると、「毎年秋祭りが近づくと若い娘がいる家に白羽の矢が立ち、その家の娘を白木の棺に入れて社の神様に捧げなければならない。そうしなければ田畑が荒らされる」と言いました。ちょうどその日は秋祭りの日だったのです。
「神様が人間の娘を喰うなど・・・」
不思議に思ったお坊さんは、正体を確かめようと社の下に身を潜めました。やがて夕暮れ時に、白木の棺を担いだ村人たちが現れて、社の前に棺を置いていきました。
夜も更ける頃、暗闇の中から3匹の巨大な怪物が現れました。怪物達は
「今宵今晩この事は・・・信州信濃の・・・しっぺい太郎には知らせるな・・・」
と歌いながら棺のまわりで踊り狂い、棺の中の娘を骨も残さず食べてしまったのです。
「あれは神ではない・・・。怪物だ。」
呟いたお坊さんは、怪物達が恐れているしっぺい太郎を探しに信州へ向かいました。
しかし信州は広く、なかなかしっぺい太郎には会えませんでした。
「このままではまた娘が食べられてしまう」
翌年の夏が終わる頃、お坊さんはある茶屋に立ち寄りました。そこの主人に聞くと、
「光前寺にしっぺい太郎という強い犬がいる。」
というので、さっそく光前寺を訪ね、寺の住職と犬のしっぺい太郎にこれまでの事を話して聞かせました。
「困っている村人の役に立つならば」
と住職としっぺい太郎は承諾してくれました。こうしてお坊さんとしっぺい太郎は、あの村に向けて出発しました。

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お坊さんとしっぺい太郎は、ちょうど秋祭りの日に村にたどり着きました。村の人達にわけを話して、その年の白木の棺には娘の代わりにしっぺい太郎が入りました。お坊さんは昨年と同じように社の下に身を潜めることにしたのです。
その夜、
「今宵今晩この事は・・・信州信濃の・・・しっぺい太郎には知らせるな・・・」
あの不気味な歌声が聞こえてきました。
何も知らない怪物達が棺を開けると、しっぺい太郎が怪物に向かって噛みついたのです。
「しっぺい太郎だ!」
暗闇の中に唸り声や悲鳴が響き渡りました。
翌朝、社の前には巨大なヒヒの死体が転がっていました。このヒヒ達が神と偽り、村人を苦しめていたのです。しっぺい太郎の姿だけがどこにも見当たりませんでした。
同じ時、信州の光前寺の住職はしっぺい太郎が心配で、寺の入口に立っていました。すると、傷ついたしっぺい太郎が近づいてくるのが見えたのです。驚いた住職はしっぺい太郎を抱きすくめると、しっぺい太郎はそのまま死んでしまいました。最後に住職に会いたかったのでしょう。
住職はしっぺい太郎を手厚く葬りました。

 

天台宗の別格本山の寺院、光前寺には今もしっぺい太郎のお墓が残されているそうです。

 

 

 

 

 

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